山田順・著『人口が減り、教育レベルが落ち、仕事がなくなる日本』(PHP研究所、1575円)が1月21日発売。


1月21日に、PHP研究所から『人口が減り、教育レベルが落ち、仕事がなくなる日本』(1,500円+税)が発売されます。

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→Amazon.co.jp: 人口が減り、教育レベルが落ち、仕事がなくなる日本

■著者のコメント

本書は、このブログでもたびたび書いてきた「日本衰退論」です。現在、よほどのお人好しでない限り、日本の将来はいまより悪くなると考えていると思います。私もその一人です。そこで、なぜ、私がそれほど悲観的なのかを徹底して述べたのが本書です。楽観論では未来は切り開けません。悲観論こそが、私たちの未来を変えるのです。
ところが、現在のメディアや多くの識者は、根拠なき楽観論を振りまき続けています。

■本書で私が言いたかったこととは?

本書のタイトルは『人口が減り、教育レベルが落ち、仕事がなくなる日本』という非常に長いものです。本当は、もっと長くしたかったのですが、これ以上長くすると、本のタイトルではなくなってしまうのでここで止めています。
ではなぜ長くしたかったのか? それは、こんな混迷の時代は、「饒舌」でないと通じないのではないかと思ったからです。また、このタイトルにあるような現実を、多くの人がなぜか無視して「そうではない」と思い込んでいるからです。
「人間は自分が信じたいことを喜んで信じるものだ」という諺がありますが、
最近の日本人はどうやらこうなってしまったようです。目の前には厳しい現実があるのに、それを無視し、いまだに「日本は強い国」「日本経済は世界最強」だと思っている人は多いと思います。アベノミクスはそれを助長させていますが、実体はともなっていません。
確実に言えるのは、私たちの暮らしは日々貧しくなっているということです。日本経済は、アベノミクスの金融•財政政策というカンフル剤で回復しているように見えるだけです。したがって、私たちはこの厳しい現実を受け入れることからはじめなければなりません。そこで、本書では、「日本の厳しい現実」を徹底して論じています。

■以下、本書の「はじめに」(全文)を紹介します

小学生のころ、初めて世界地図を見て世界は本当に広いなと思った。そして、世界のなかで日本の位置を知って、どうしてこんな世界の端っこにあるのだろうと不思議に思った。
アジア大陸の東の端(極東)、その向こうは広大な太平洋。アメリカもヨーロッパもはるか遠くにある。
それでも、大人たちはみんなこう言っていた。
「日本はすごい国なんだよ」
たしかに、大人になるにつれて、日本がすごい国だということがわかってきた。土の道路がいつの間にかアスファルトに変わり、家にはテレビがやって来た。新幹線が走り、東京オリンピックが開かれ、高速道路ができた。高層ビルが建ち、スーパー、コンビニができ、食べたいもの、欲しいものがいつでも手に入るようになった。
やがて、誰もがブランド品を持つようになり、週末は海や山へとレジャーに出かけるのが普通になった。遠いと思っていたアメリカにも、旅行で行けるようになった。
こういったことが、私の人生の前半で次々に起こった。

しかし、いまの日本は「すごい国」だろうか?
私は、この20年間あまり、日本がすごいと思ったことは一度もない。また、私の周囲の人たちも、いまの日本について、誰一人として昔のように私に言わない。
「日本はすごい国なんだよ」と……。
そのように言っているのは、一部の「日本経済が世界最強」などという本を臆面もなく書いている人たちと、現実を知らないか、見ない人たちだけだ。
いったい、日本はいつからすごくなくなったのだろうか? なぜ、日本の首相は「日本を取り戻す」と言っているのだろうか? この先、日本はどうなるのだろうか?

私が小学生だった1962年、英『エコノミスト』誌は、「注目の日本」(Consider Japan)という特集記事を掲載した。この特集記事がいまでも語り継がれるのは、日本が大発展するという未来をピタリと予測していたからだ。
実際、日本は1968年にGDPで当時の西ドイツを抜き、世界第2位の経済大国になった。そして、1979年には『ジャパン・アズ・ナンバーワン』とまで称される国になった。
しかし、『エコノミスト』誌は、2012年に、2050年の世界を予測した本(2050年の世界―英『エコノミスト』誌は予測する、文芸春秋)のなかで、今度は日本の衰退を予測している。

「日本は世界史上未踏の超高齢社会となる」「高齢化による国家財政の悪化が進む 」「日本のGDPは、2050年には相対的に大幅に低下する」……などが、そのポイントだ。
今後の日本は、急速にプレゼンスを失っていく。
2010年には、世界経済の5.8パーセントを占めていた日本のGDPは、2030年には3.4パーセントになり、2050年には1.9パーセントになる。経済成長のスピードも西ヨーロッパを下回り、今後40年をとおして、1.1から1.2パーセントで推移する。その結果、2050年には、日本経済はいまの3分の1になってしまうというのだ。

これは、私が小学生のころに見た世界地図で日本があった位置、世界の端っこに戻ることを意味するのだろうか? 極東(世界の端っこ)という辺境にある「島国」、それが日本の本来のポジションなら、これを受け入れる以外にないのだろうか?
50年前に日本の未来をピタリと当てたことから、今回の『エコノミスト』誌の予測も当たる確率は高い。ただ、予測はあくまで予測で、未来は変えられるということを、私たちは忘れてはいけない。50年後の日本は、私たちの生き方次第で変わるのだ。
ただし、現在のところ、私はものすごく悲観的である。『エコノミスト』誌の予測が今回も当たるだろうと、考えている。

私は、子供のころから、いつも未来がどうなるんだろうと考えてきた。それはいまも変わらず、1年ほど前から始めたメルマガを「未来地図」というタイトルにし、読者に向けて毎回、未来予測を織り込んだ記事を発信してきた。
本書は、そのメルマガで私が書いてきたことを元にして、新しく書き下ろしたものだ。
現在の日本の状況を見据えて、今後、日本と私たちの暮らしがどうなっていくのか多岐にわたって述べている。

この仕事をしてきていつも思うのは、楽観論より悲観論のほうが、なにかをしようとするときには参考になるということだ。しかし、たいていの人は、楽観論を好む。とくに日本では、悲観的な話をすると「縁起でもない」と嫌われる。
誰もが耳障りのいい話、聞いて夢が持てる話を期待する。しかし、いまの日本の状況から見て、とてもそんな話をする気にはならない。できるとしたら、よほどお人好しか、あるいはそういう話をすることで、なにか別のことを企てているからである。
そんなわけで最初に述べておくが、本書は全編悲観論である。悲観論からは未来を切り開けるが、楽観論からは未来は切り開けない。

『エコノミスト』誌の話に戻すと、『エコノミスト』誌は、21世紀はシュンペーター経済学、すなわち「イノベーションの時代」であることを強調している。イノベーションの成否が、国家の盛衰に大きくかかわるとしている。
しかし、いまの日本は、基礎科学の立ち遅れにより、イノベーションが起こらなくなってしまった。それが、日本の衰退の最大の原因だと指摘している。ということは、今後、私たちが時代を変えるようなイノベーションを起せば、未来は一変する。
もはや日本の成長はありえない。成長の限界に達したという見方もあるが、本書の悲観論を読んで、未来を切り開くイノベーションのヒントをつかんでいただければ幸いである。

■本書の各章は次のようになっています

第1章  どんなビジネスも人口減に勝てない
第2章  日本・中国・韓国 ともに衰退する未来図
第3章  超高齢化社会到来 老人しかいない街
第4章  老人の街でやる2020年東京五輪
第5章  あなたの街がデトロイトになる日
第6章  ものづくり国家 ニッポンの崩壊
第7章  2020年日本車消滅という衝撃未来
第8章  仕事を機械に奪われ失業者が増える
第9章  英語ができないだけで貧乏暮らし
第10章 さよならニッポン 続々出ていく富裕層
第11章 巨大債務がある限り給料は上がらない
第12章 増税で締め上げられ監視される市民生活
第13章 ポルトガルと同じ運命をたどるのか?

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